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ねぶた屋について

代表コメント

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元来、ねぶたは地域の人々の手作りの山車で行われていましたが、戦後、骨組みが竹から針金に、照明がロウソクから電球に変わることで、より精緻な造形表現が可能になると、専門、つまりプロとして制作を請け負う人たちが現れます。こうしたプロの制作者たちは、昭和40年代頃から、「ねぶた師」と呼ばれるようになりました。
「ねぶた屋」は、2014年1月、当時デビューしたての若手ねぶた師たちが、流派を越えた交流による技術の研鑽、ねぶた文化の保存・継承のための制作環境の整備などを目的として結成した団体です。これまで、個人では困難である作品展や、ねぶた関連商品の企画・製作、後継者の育成と裾野拡大に向けた講習会、講演会等の活動を展開してきました。
ねぶたは、ねぶた師が個々の創造力と技術を競う世界であり、ねぶた師同士は、本来ライバル関係にあります。上記の目的に向け、さらに後進が参入しやすいよう、ねぶた制作を職業として確立させていかなければならないとの思いを共有し、流派を越えてともに活動しています。「ねぶた師」という呼称が定着してからほぼ50年、異なる流派のねぶた師が参加する会の発足は画期的な出来事といえます。しかも「ねぶた屋」には、現在の青森ねぶたを支える主要3流派からそれぞれ制作者が参加しており、彼らが協同で作品を制作するのは、ねぶたの歴史上かつてなかったことです。

2022年3月、「ねぶた屋」は活動の幅をさらに広げるため、一般社団法人として法人格を取得しました。これまで同様の活動をより活発化するとともに、特にねぶた文化継承に向けた活動を幅広く展開して参ります。祭本番のねぶた以外のねぶた制作の機会を数多く創出し、ねぶた師という職業の確立に資するとともに、子供たちへのねぶたへの興味を喚起し育むための体験学習やワークショップ、講演などの事業を一層充実させていく所存です。
これらの事業の展開にあたっては、多くの現役ねぶた師、またその弟子、さらに先輩ねぶた師の皆様にも協力を仰ぎ、ねぶた屋をより広く開かれた組織に育てていくこととしています。また、法人化により収益事業の幅も広がることから、売上の一部を後継者育成事業へ還元、活用していくことが活動の大きな柱となります。具体的には、毎年、法人の決算時に余剰利益の額に応じて、その一部を青森市に寄付し、後継者育成事業に役立ててもらうこととしています。

さらなる活動の拡大、充実を目指す「ねぶた屋」。その設立趣旨と現在の活動目的をぜひ皆様にご理解いただき、ご支援とご協力、また活動内容に対する忌憚なきご意見なども頂戴できれば幸いに存じます。

2023年3月
一般社団法人ねぶた屋 代表理事 古山善猛